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学校経営方針
令和6年4月1日
令和6年度 新宿区立愛日小学校 学校経営方針
新宿区立愛日小学校長
水野 睦子
愛日小学校に関わる全ての人が幸せを感じる学校
1 愛日小学校の教育目標
○(あ)挨拶をする子 ・集団生活のルールやマナー等の規範意識の醸成
○(い)一緒に取り組む子 ・様々な人と協働する楽しさや喜びを感じる心の育成
○(じ)自分から学ぶ子 ・何事にもすすんで取り組む力の育成
○(つ)強く元気な子 ・自分の心と体の健康を保持、増進する態度の育成
2 目指す学校の姿
◇【子ども】が毎日行きたくなる楽しい学校
◇【保護者】が信頼して送り出すことができる学校
◇【地域の皆様】が身近に感じ、誇りに思う学校
◇【教職員】が元気で、安心して働くことができる学校
3 学校経営の基本理念
(1)児童の指導に関する基本理念 以下の3点を児童の指導に関する基本理念とする。
① 全教職員で全児童を育成
② 確実な指導の工夫
③ 義務教育9年間のうちの1年間を担当
①「全教職員で全児童を育成」とは、小学校の特性である学級担任制の仕組みのよいところを生かしつつ、
全教職員で全児童を指導していくことである。これを、本校の基本理念の第一に掲げる。他学年・他学級
の児童の様子に気を配り、発達段階に応じた指導を行っていく。
②「確実な指導の工夫」とは、生涯にわたる人間形成の基礎が培われるよう指導を工夫することである。基
本的な生活習慣の確立や社会生活上のきまりを身に付け、善悪を判断し,人間として大切にするべきこと
を実行し、してはならないことをしないなど、人としての基盤を築く。
③「義務教育9年間のうちの1年間を担当」とは、短期的な指導と中長期的な指導の両面を意識して指導に
あたるということである。例えば、学習指導でいえば、教員が各教科の系統性を理解して指導をする。生
活指導では、発達段階に応じた指導をすることである。小学校での最終学年において理想とする児童像を
学校全体で共通に意識し、指導を積み重ねていく。
(2)愛日小学校の教育姿勢
「チーム愛日」として、全教職員が力を合わせ、意図的・計画的かつ組織的に教育課程を実施し、質の
高い教育活動を創造していく。また、全教職員で全児童を育成する意識をもち、取り組んでいく。その意
識を向上させるための手だてとして、毎年の学級編制や副担任制、中・高学年の担任による教科担任制等
を行っていく。教職員は、取組の目標を設定したり、計画を立てたり、評価指標を決定したりする際に
は、児童の実態や保護者・地域のニーズ等を分析したり、新宿区教育ビジョンとの関連を意識したりする
など、根拠をもって決めるようにする。
教育活動の状況については、児童・保護者・地域等に適宜、文書やHP等で情報提供する。
(3)本年度の教職員の重点
以下の3点を本年度の重点目標とする。具体的には、4の「具体的な方策」の中で述べる。
〇様々な協働による心豊かな児童の育成
○日常的な授業改善による主体的な学びの構築
〇組織的・計画的な学校運営による教育活動の充実
4 具体的な方策
(1)一緒に取り組む心と健やかな体の育成
①人権教育、道徳教育、生活指導
教職員一人一人が、常に人権感覚の向上に努める。自分も他人も大切にする児童を育て、いじめや差
別は絶対に許さないという学校・学級づくりに努める。
○いじめ・不登校等の問題が生じた場合は、愛日小学校いじめ防止対策基本方針に則り対応する。基本方
針は保護者にも周知し、いじめ対応に関する取組を知ってもらう。
ア 学期に一度、ふれあい月間等の機会に、子どもへのアンケート調査や聞き取り等を実施し、状況把
握と指導を行うとともに、5年生で都のスクールカウンセラーとの全員面接を行い、児童が相談し
やすい環境を設定する。
イ ネットモラルへの対応のため、各学年において、系統的に指導する。
ウ 学年副担任制や中・高学年の教科担任制等、複数の目で児童を見守り、全教職員がアンテナを高く
し、いじめ・不登校等の未然防止に努める。
エ hyper-QUを活用(3年生以上)しながら、「ルール」と「リレーション」を確立し、よりよい学
級経営に努める。
○児童を育てる基盤として、様々な教育活動を通じて、様々な人と共に取り組もうとする心や 態度の育
成を目標に据える。そのため、若竹学級、あいじつ子ども園、異学年との関わりを意図的に計画し、実
施する。
○道徳科の時間や特別活動における指導を意図的・計画的に進めるとともに、たてわり班活動等の機会を
生かし、役割に応じた責任ある行動がとれるようにする。
○様々な人と交流や協働する楽しさや喜びを感じる豊かな心を育成する。特に、挨拶指導は、保護者・地
域とも連携し、校内外において挨拶指導の重点期間を設ける。
○スクールカウンセラーや地域、関係機関等と連携し、多面的なアプローチをとる。
②体育・健康教育
○基礎体力の向上を図るとともに、児童が運動の楽しさや喜びを味わい、すすんで運動するよう様々な取
組や体育の授業、休み時間の外遊びの奨励、持久走月間、なわとび月間、新宿ギネス等を実践してい
く。
○健康や食に関する指導は、関係の教科・単元での指導に加え、全教育活動を通して指導する。また、ア
レルギー疾患のある児童への配慮は、養護教諭、栄養士、教職員の連携を確実に行うとともに、研修会
を実施し、共通理解を図る。
(2)主体的な学びの構築
① 学習指導要領の趣旨を踏まえた指導の充実
学習指導要領の各教科の年間指導計画と評価規準、指導時数や計画は適切だったのかを常に検討し、改
善点については次の学期や次年度に反映させていく。
○知識及び技能が習得されるようにする。
○思考力、判断力、表現力等を育成する。
◎学びに向かう力、人間性等を涵養する。
特に3番目が重点事項である。児童が主体的に学ぶ力を付けていくためには、各教科等の指導を含め、
教育活動全体を通して情意や態度等に関わる資質・能力を育む必要がある。本年度は、国語科で研究発表
を行う。この研究の取り組みを通して、教員が自己の指導力を高め、児童の主体的な学びを引き出してい
く。
②教育課程の管理
児童の姿から編制した学習課程が適切であったかを検証し、成果と課題を明確にして改善を図り、次年
度の計画に反映させていく。そのため、教育課程→年間指導計画→週案→指導記録→評価の流れを大切に
し、日々の授業実践の計画・記録を確実に行い、次年度の教育課程の改善につなげていく。区の学力定着
度調査は、経年で各学年の児童の定着度を測るので、児童の実態に即した指導計画の作成に活用する。ま
た、区に提出する「学力向上のための重点プラン」の進捗状況と連動させる。
③日々の学習指導の充実
主体的な学びを実現するためには、日々の授業を充実させることが重要である。そのために、以下のこ
とを重視していく。
〇児童が互いに認め合い、尊重し合える学級集団を構築する。
→正しい言葉遣いや姿勢、ノートをきちんと取るなど、学習規律に直結することが重要になってくる。
その中でも、特に、人の話を聞く姿勢は大変重要である。聞いてもらえる安心感があることで、発言
をしたり、一緒に学ぼうとしたりする意欲が生まれてくる。
○児童の自己評価、振り返りの時間の確保(実感を伴って定着させる)
→児童が自己評価するためには、「めあて」の設定が重要である。児童自身がめあてを把握し、「何の
ために学習するのか」を常に意識し、振り返りを確実に行うことで、自己の学習(内容の理解・思考
の方法・態度)を見直すことができる。
○家庭学習(自学自習)の習慣付け(家庭との連携)
→家庭学習も主体的に学べるようなシステムを構築する。
①基本の学習(漢字・計算) ②自主学習(自主学習練習を含む) ③授業での課題 の3つを基本
パターンとする。6年間かけて、自分で学習する内容を考え、自ら学びを進めていくことができるよ
うにする。
○基礎・基本の徹底(読み書き計算等は、系統的に確実に)
④指導方法の工夫・改善
GIGAスクール構想におけるタブレットPCの活用
〇学習者主体の学びになるように、適切かつ効果的にタブレットPCを活用していく。「個別最適な学び」
と「協働的な学び」の実現を図る。
〇高学年では算数科や理科等を通して、プログラミングを体験し、論理的な思考力を育む学習活動を計画
的に実施する。
〇タブレットを活用した学習の計画や成果を共有できるようにする。作成した教材等も含めフォルダーに
整理し、即時の活用に結び付く保管方法を工夫することで、教材の蓄積や共有化を進める。
(3)安全管理・危機管理
○学校の教育活動を実施していく際、「安全」は何よりも優先すべき絶対条件である。「安全」に関する
事項は知識よりも意識が大切であり、常に最悪の状況を想定して行動する。
○アレルギー除去食のある児童への対応については、全校で共通理解を図る。個々の児童の除去について
は、学年(副担任を含む)で把握し、管理する。
○非常災害時や不審者対応などの各種危機管理マニュアルを整備・改善し、安全管理・危機管理に努め
る。予期せぬ事態の発生に対しては臨機応変な対応が必要となるが、その際は、個人の判断ではなく、
学校としての意思決定で行動する。
○校内外の安全指導、交通安全指導、避難訓練等は、実際の状況に近い多様な場面を想定し、児童に具体
的な行動の仕方とその意味について計画的に指導し、徹底する。
○教育活動中の事故やけがの対応は、迅速に行う。また、管理職や保護者への報告・連絡を密にし、特に
首から上のけがについては、病院での受診を原則とする。
○校内、学校周辺の安全点検を定期的に実施し、事故の未然防止を図る。
○校内、学校周辺の環境整備や美化に努め、教育環境を整え、教育活動の充実を図る。
(4)特別支援教育
①若竹学級
若竹学級においては、児童の障害の状態及び発達段階や特性を十分に考慮し、個々の力を最大限に伸ば
すとともに、将来の社会的自立を目指し、人間性豊かな児童を育てる。若竹学級と通常学級とのこれまで
の交流学習をさらに一歩進め、若竹学級の児童の社会性や自己有用感等を培うとともに、通常学級の児童
においても特別支援教育の理解を深めるなど、互恵性のある取組を進める。また、区内の他の特別支援学
級や関係学校、地域、関係機関との連携も大切にする。
②まなびの教室
通常の教育課程に一部加えたり、変更したりしながら、特別の教育課程によることが認められている。
まなびの教室における効果は、主に以下の3点である。
・指導者が巡回する形態を取ることで、児童の通学や保護者の送迎等の負担軽減になる。
・在籍学級を空ける時間の軽減になる。
・指導内容・方法の改善充実 → 巡回指導教員と学級担任の連携
まなびの教室の利用にあたっては、校内委員会において指導開始及び終了の検討を行う。まなびの教室
は、通常の学級でのよりよい適応を図るためのステップである。そのため、保護者と連携しながら、学校
生活支援シートや個別指導計画を作成し、その児童が確実に在籍学級での集団生活や学習への適応を促せ
るようにする。
③特別支援教育コーディネーター
特別支援が必要な児童の指導は、特別支援教育コーディネーターを中心に、校内委員会において支援体
制を検討・調整・確認する。また、就学支援シートの活用や学校生活支援シートを学級担任と連携して作
成していく。巡回指導教員と特別支援教室専門員、スクールカウンセラー、教育支援員、関係機関等と連
携を図り、全校体制で支援していく。
(5)保護者、地域等との連携・協力
○食事や睡眠などの基本的な生活習慣を身に付けるのは、家庭生活が中心となる。学校では、基本的な生
活習慣の安定と学力形成の相関が高いことなどについて啓発し、協力を求める。
○家庭学習の習慣を形成するため、宿題や読書など適切な課題を示す。
○地域協働学校として、学校運営協議会を設置する。地域の方や保護者、スクール・コーディネーター、
教育ボランティア、近隣の諸機関等との連携・協働(防災や地域清掃等)を推進するとともに、PTA
や地域行事等への教職員の参加を進める。
○教育活動の状況や成果については、授業や行事公開のほか、文書やHP等での情報提供を積極的に行うと
ともに、各種アンケートや外部評価を行い、その声を生かす。
○あいじつ子ども園との保幼小連携及び牛込第三中学校との小中連携を進め、教育活動の充実や授業力向
上に向けた取組を進める。
(6)組織的な学校運営
○「チーム愛日」として、教職員一人一人の持ち味を生かすことで教育活動の効果を高める。また、副担
任制により指導体制の充実を図るとともに、学級や児童の情報、問題行動等は、全教職員に報告・連絡
し、組織的に全児童を全教職員で育成する意識をもつ。
○愛日小学には、様々な職種の職員が児童のために働いている。それぞれが担当する職務の責任を果たす
とともに、それぞれが必要な情報を共有し、連携していく。
○校務分掌や諸会議の改善・精選と会議時間確保のための時程の工夫等を引き続き進め、校務の効率化を
図るとともに、副校長や主幹、各主任が責任をもって進行管理する。こうした工夫で時間を生み出し、
学年会や教材研究の時間等を捻出する。
○校長は、明確な経営方針や計画を示すとともに、教職員の資質・能力の向上を図り、よい取組が継続し
ていくシステムづくりを進める。愛日小学校の全教育活動の結果責任と説明責任をもつ。
(7)服務規律の厳守
○教育公務員として服務の厳正に努め、常に全体の奉仕者である自覚をもって職務にあたる。
○予算は税金であるというコスト意識をもち、意図的・計画的に執行する。(私費会計も同様)
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