朝夕の冷え込みに秋の深まりを感じます。体調を崩しやすい時期なので、風邪や新型コロナウイルスにかからないよう、いつも以上に体調管理に気を付けさせたいと思います。
さて、鶴巻小学校は、今年度開校95周年を迎えました。通常であれば、児童集会や式典を行い、児童・保護者・地域・学校が一体となってお祝いをする年になるはずでした。ところが、新型コロナウイルスの影響で、一堂に会することができないため、式典は行わないことになりました。そこで、全校朝会での私の話や委員会、学級などの取組を少しずつ積み重ね、子どもたちが鶴巻小学校の歴史を振り返る年にしたいと考えました。
まず、10月12日の全校朝会で、校長室にある黒い大きな金庫の話をしました。この耐火金庫は対応年数が過ぎているので、新しいものを購入するために区役所にお願いを始めたところです。いつか業者の方に引き取っていただく予定でしたが、金庫の扉に薄く「卒業生一同」の文字が見えたのです。スクールコーディネーターの山口さんに何かご存じないか伺ったところ、次のようなお話をいただきました。この金庫は、山口さんが卒業するときに保護者の皆さんが記念として寄贈してくださったものだそうです。昭和20年、大きな戦争が終わったとき、鶴巻小学校は爆撃により校舎が倒壊し、その後学校の敷地は避難所となっていきました。子どもたちは早稲田小学校と江戸川小学校に分かれて通うことになり、鶴巻小学校は一度閉校してしまいました。それから9年後、みんなの力で整備を進め鶴巻小学校が復活することになりました。復活してから初めて入学した1年生の一人が、山口さんだったのです。その1年生が卒業するときの記念にと耐火金庫が学校に寄贈されました。そのような貴重な金庫を業者の方に引き取っていただく訳にはいきません。黒い大きな金庫は校長室に大切に保管することにしました。
全校朝会の最後に、興味のある人は見にきてください。と加えたところ、その日からたくさんの子どもたちが見学に訪れるようになりました。95周年の記念の年に、黒い大きな金庫は、鶴巻小学校の歴史を物語る宝物の金庫になりました。
その他にも、委員会や各学級で装飾やポスター作り、学校クイズ、鶴巻音頭などの取組を始めています。子どもたちが自ら調べ、発信していく形でも鶴巻小学校の歴史を振り返る活動を計画しています。保護者・地域の皆様にご協力いただけることがありましたら、お声をかけさせていただきますので、よろしくお願いいたします。