9月19日(木)に道徳授業地区公開講座を実施しました。平日にもかかわらず、多くの保護者・地域の皆様にお越しいただきましたことに感謝いたします。2・3校時には各教室にて道徳授業を行い、4校時にはテレビドラマ「赤鼻のセンセイ」のモチーフとなった副島賢和先生(昭和大学大学院保健医療学研究科准教授)を講師にお招きし、院内学級の教員として経験されたことを基にした講演会を行いました。表題は副島先生から子どもたちに贈られた、先生が子どもたちとのかかわりの中で大切にされている言葉だそうです。院内学級という特殊な環境の中で、様々な感情が湧いてくる子どもたちとのかかわりから学んだこと。話される一つ一つの言葉やエピソードに気持ちが揺さぶられる感覚を何度も味わいました。
学校は「何かができる・わかる」を大切にする場です。そして「できる・わかる」を経験し、その喜びを仲間や教員と分かち合って、今度は自分の足で歩いて行こうとする力を身に付ける場でもあります。ただ、できるようになるためのチャレンジにはエネルギーが必要で、ただ単に「やりなさい」だけでは、子どもたちのエネルギーはすぐに底を尽き、気持ちが折れてしまいます。「できないことやわからないことは自分のせいだ」と根拠もなく自分を責め始めてしまい、無気力が自分の心を席捲してしまう子どもたちに何が必要か。副島先生は「あなたがあなたのままで、そこにいるだけで十分に素敵なことなのだよ」ということを子どもたち自身が思えることと、そう思っている人がここにいるということを伝える関わりが必要であると教えてくださいました。困難な状況でやり抜く力を身に付けるためには、不安から逆算して人生を考えるスキルを学ぶ前に、自分の存在を大切にしてくれる関わりの中で「明日」が来るのを楽しみにできるエネルギーをためられる環境を整えること。鶴巻小学校がそんな場所であり続けるために、今後も様々な人たちのご協力をいただきながら努力していきたいと決意を新たにした大切な時間となりました。