皆さんは音楽をお聴きになっているでしょうか。私は大の音楽好き(聴く専門)で、幼少期から青年期まで邦楽・洋楽問わず、いつも生活の中に音楽がありました。中学時代には小遣いを貯めて携帯型ヘッドフォンカセットプレーヤーを買ったり、高校時代には年末年始の郵便局配達アルバイトでステレオを買ったりなど、毎日音楽に夢中でした。お気に入りのミュージシャンの新譜レコードを話題にして永遠に話せる同世代の友達が何人もいました。
さて、最近はというと生活の中に以前ほど音楽はありません。休みの日に昔好きだった曲をスマホに入れてステレオよりかなり小さいブルートウーススピーカーで聴くくらいです。身に覚えがある方は私以外にもいらっしゃるのではないでしようか。人はいつから音楽に対して興味を失っていくのか、海外のストリーミングサービス会社が 1000人にアンケート調査を行ったところ、平均して30歳までに新しい音楽の発見を行わなくなる、といった結果が出たそうです。理由として、「選択肢が多い」や「仕事が忙しい」「子どもの世話をする」といった事情が関係しているようです。時間がないだけで音楽に触れていないというのは何とももったいない気がします。
私たちはいつから「音楽」に触れるのでしょうか。生まれたばかりの赤ちゃんは視力が0.02ほどしかないといいます。
生後、数年をかけながら視力を伸ばしていきますが、一方で聴力のほうはもっと早いテンポで成長していて、妊娠28週頃から胎児は音を知覚しはじめるそうです。生まれたときには、もうしっかり周囲の音を聞くことができ、生後10ヶ月くらいまでは、視力より聴力に頼っている状態、すなわち「聴覚優位」にあるといわれています。もちろん、聞こえた音を理解して、大人と同じように反応したり、言葉という音を自在に操れたりする段階になるまでには、さらに数年がかかります。言葉を理解するよりもずっと前から、赤ちゃんの発達において、音や音楽は大きな意味を持ち続けています。心を育む第一歩として、とても大切なことが理解できます。
音楽は言語能力の発達にも影響を及ぼすことも研究で明らかになっています。まさに学校教育には欠かせないもの一つと言えます。最近、鶴巻小の子供たちの中で私と好きなミュージシャンが同じ人がいることが分かり、好きな曲などを夢中で話してしまいました。世代を越えて分かり合えるようにつなげてくれた音楽の力は偉大だと感じた瞬間でした。子供たちを成長させてくれる「音楽の力」。鶴巻小の音楽会が今から楽しみです。