今年度は「だれかのために、何かをする」ということを、子どもたちに伝えています。これは、◎相手意識 〇目的意識 を易しい言葉に言い換えたものです。私がこのことを強く意識したのは、
20年ほど前国語の研究を行っていた際に、講師の先生から教えていただいたことがきっかけでした。そのときは、「書くこと」を重視した研究でしたので、子どもたちの文章を書く力を伸ばす手立てを考えていました。講師の先生が繰り返しおっしゃっていたことは、「子どもが自分で書きたくなるような状況をつくるためには、相手意識と目的意識が重要。」とのことでした。「だれに対してどのような目的で書くのかが明確でないと、書かされている状況になりかねない。この2つがはっきりしている文章の一つが『ラブレター』です。物語の主人公に励ましの手紙を書く活動も類似しています。その他の文章も同様に、この2つがはっきりしていると、自分で書きたくなるのです。」このようなご指導をいただきました。
また、数年前に取り組んでいた特別活動の研究でも、○相手意識 ◎目的意識 が登場しました。みんなで話し合い集団の意思決定をする際に、この2つが重要になります。学級でお楽しみ会を開く計画があっても、それぞれやりたいことを主張し合っていては結論に到達できません。そのときに、だれのために、何のために、お楽しみ会をするのかが明確だと学級の全員が同じ方向を向いて話合いを進めることができます。
1学期には、子どもたちに、「だれかのために、何かをしている姿を見つけましょう。」と投げかけました。私が見つけたその姿は、他学年や幼稚園の子どもたちに積極的に関わる本校の子どもたちの姿でした。日頃の活動の中にこの2つは息づいています。また、主事さん方が学校施設を子どもたちのために整えていることも具体的に話しました。子どもたち自身がしてもらっていることも改めて意識してほしいです。2学期以降は、「だれかのために、何かをする」子どもたちのさらなる主体的な活動につなげていきたいと思います。